「基礎が大事」ということを本当に理解しているか?
こんにちは。
「いつもおそばに音楽を」
H.I.M.の萩本亜矢です。
「基礎が大事」という言葉を聞いて、みなさんは「全くその通りだ」と思われますか?
それとも、「別に、自分はピアノでプロになるわけじゃないし、好きな曲だけやるのが一番だ」と思われますか?
基礎が無意識にできる状態であることは、好きな曲が最短距離で弾けるということです。
なぜなら、あなたが弾きたい曲・好きな曲は、ほとんど基礎的なテクニックの応用だからです。
想像してみてください。
音符を読めない方が、いきなり♭3つの調の「夜を駆ける」を弾こうとしても、まず無理でしょう。
でも、基礎がしっかりあれば、小学生でも弾けるようになっています。
幼い子どもは「弾けたら楽しい・弾けないとつまらない」というくらいの感覚なので、難しいものと向き合うと逃げたくなるものです。
逃げる、サボる(笑)、子どもを温かく見守る保護者と、音楽は素敵なものと感じる家庭の雰囲気があれば、基礎の反復も耐えられるようです。
たしかに、基礎練習である音階、アルペジオ、ハノン、ツェルニー等は、面倒で退屈だと思われる方は正直多いです。
しかし、曲の大部分は、その調の順次進行(隣の音)であり、音階が弾ければ曲の大部分がスムーズに弾けます。跳躍があっても、その調の構成和音のアルペジオ(分散和音)であることが多いので、アルペジオを無意識に弾けるだけで、断然ラク。
また、ハノンは音型、運指の定着、ツェルニーは構成、和声進行、転調、終止形、右手と左手の交替などが習得できます。
もちろん、これだけではポリフォニー、ロマン派、近現代の様式や表現は網羅できないので、追加で順次取り組んでいきます。
したがって、全調の音階、アルペジオ等の基礎が無意識に弾ける状態であることは、ひいては好きな曲が最短距離で弾けるということです。
ですから、私はどんなに面倒がられても、「基礎が大事」と伝え続けますし、生徒や保護者には理解していただきたいと心から願っています。
・先生はなぜこの課題を与えるのか?
・この課題をやることで、何が身につくのか?
を考えた上で、日々の練習に取り組んでいただきたいと思います。
「練習の種類」は基本的に2つしかない。
「意識してもできないことを、意識することでできるようにすること」
「意識すればできることを、無意識にできるようにすること」
「守・破・離」の「守」
「守破離」の「守」を身につけることは、ピアノだけでなく、何かを学ぶ時に、必要なスキルです。
ピアノと勉強を別のものとして捉えるのは、もったいないですよ~。
私はただのピアノ講師ですが、広い視野で「学ぶとは?」という概念もお伝えできたらと思っています。